自社専用アロマは、企業のイメージや用途に合わせて調香する香りです。受付の空間演出に使うのか、来客への配布品にも使うのかで、必要な試料・機器・供給条件が異なります。「自社だけの香り」を求める場合は、他社への提供の有無も発注先へ確かめます。

木のテーブル上で香りの試料と木材・生地の見本を比べる架空の選定イメージ
香りの試料と木材・色の見本を合わせる選定イメージ。実製品・施工事例・実際の打ち合わせ記録とは異なります。

企業の導入事例は、使う場所まで確かめる

ANA:ブランドを表現する独自のブレンド

ANAは、ブランドコンセプト「Inspiration of JAPAN」を表現するオリジナルアロマを展開しています。高野槙や吉野檜、ミント、ローズマリーなどを含む12種類のブレンドで、空港ラウンジやチェックインの一部エリアなどに用いています。

機内の使い方は空間全体への芳香だけを意味しません。公式案内には、国内線の化粧室内ハンドソープ、国際線ファーストクラスやアロマカードなど、対象が異なる使い方が記載されています。一部機材の除外、数量の限り、サービスの休止・変更もあります。同じ香りでも、使う場所と届け方を分けて考える事例です。

コクヨマーケティング:受付の場所と季節に合わせる

コクヨマーケティングの自社オフィス紹介では、霞が関オフィスの受付エリアの窓際にディフューザーを置き、夏にフレッシュシトラスの香りを使用しています。福岡オフィスでは、入口から来客スペースにかけてミントの香りを用いる事例が紹介されています。

この事例は、芳香器の配置と香りの使い方の参考になります。独自調香を依頼する場合も、機器を置く位置と香りが届く範囲を併せて検討します。同じ機器や香りを選ぶだけで、自社でも同じ印象になるとは限りません。

既製の香りで足りるか、独自調香が必要か

受付で香りを使いたいことと、独自の香りを開発したいことは別の判断です。まずは既製の候補で目的を満たせるかを比べ、足りない条件が明確なときに独自調香を検討します。

香りを用意する方法と選定条件
方法選ぶ理由発注前の確認
既製のブレンドから選ぶ用意された試料から、空間や利用者に合う香りを探したい。対応機器、補充方法、追加注文、香りの変更ができる条件。
自社用に調香する企業が伝えたい印象を具体化し、既製品では満たせない香りを求める。試作・調整の範囲、開発期間、最小発注量、他社提供の有無、継続供給。
香りを加えない利用者が避けられる場所がない、試用で支障が出る、継続管理の担当が決まらない。素材・照明・案内表示・清掃で改善できる点を先に確かめる。

例えば、香りのサービス会社KAORI LOGOには、用意されたブレンドから選ぶサービスと、企業の理念や目的を聞いて調香するサービスがあります。依頼先ごとに範囲が異なるため、「オリジナル」という名称だけで判断せず、試作から導入後まで何を含むかを確かめましょう。

発注前に、空間と伝えたい印象を共有する

  • 使う人と場所:初めて訪れる人、社員、配送担当などの利用者と、受付・ラウンジ・執務室のどこで使うか。香りを避けて利用できる場所も含めます。
  • 伝えたい印象:「自然素材を大切にする」「控えめで落ち着いた雰囲気」など、企業の言葉と木材・色・照明の見本を合わせます。苦手な香りや避けたい印象も伝えます。
  • 設置条件:区画の広さ、天井、空調・換気、入口の開閉、稼働時間、電源と補充場所。平面図だけでなく、機器を置ける位置が分かる写真も役立ちます。
  • 使う範囲:室内での芳香だけか、配布品や販売品にも使うか。用途が増える場合は、対応する製品・容器・表示を依頼先へ確認します。

「木の香りにしたい」と伝えるだけでは、木目の明るさや空間の雰囲気との関係が曖昧です。仕上げ見本と香りの候補を並べ、どの場所で、どの程度感じさせたいかまで共有します。

開発費と、使い続ける費用を分けて比べる

見積もりは、同じ区画・稼働時間・比較期間で依頼します。機器の購入額や月額だけを比べると、調香・補充・保守が別料金かどうかで差が出ます。

  • 香りの開発:ヒアリング、試作、試料発送、修正回数、追加調整の料金と期間。
  • 導入:機器の購入またはレンタル、設置・配送・回収、電源や什器への施工が必要な場合の費用。
  • 継続:液剤と消耗品、補充頻度、清掃・保守、故障時の交換や代替機の扱い。
  • 変更・終了:香りや設置場所の変更、休止・解約、機器返却、残った液剤の扱い。税込・税別と最低利用期間もそろえます。

初期費用が抑えられていても、すべての費用が月額に含まれるとは限りません。担当者が行う補充や清掃も含めて、継続できる体制かを確かめます。

試香紙の印象だけで、本導入を決めない

  1. 候補を絞る。同じ条件で試料を比べ、好みだけでなく企業が伝えたい印象と合うかを確認します。香りの印象が時間とともに変わることも確かめます。
  2. 実際の場所で試す。機器と液剤の説明書に従い、入口の開閉や空調が通常どおりの状態で、届く範囲と停止後の残り方を確認します。
  3. 続けられる条件をそろえる。使わない席や動線、使用を止める担当、補充・保守の担当と費用を確認してから、継続するか決めます。

消費者庁は、柔軟剤や香水などの香り付き製品について、感じ方の個人差と周囲への配慮を呼びかけています。天然素材を使うことやブランドに合うことだけで、すべての利用者に受け入れられるとは判断できません。不快感がある場合は使用を止め、香りを避けられる場所を案内します。

受付・執務室・休憩室ごとの配置条件と中止の手順は、オフィスの香りを使う場所と周囲への配慮で確認できます。

継続は、自社の利用状況と負担で判断する

アットアロマが2024年8月に公表した意識調査は、香りに関心があり、アロマ製品の購入・利用経験がある全国20〜59歳の男女416人を対象としたインターネット調査です。施設への好意的な印象や再訪意向は、香りの空間演出を経験した回答者への質問です。

これは、すべての社員・来訪者に同じ結果が出ることや、売上・作業効率が向上した実績を示すものではありません。自社では、伝えたい印象と合うか、困る人がいないか、においが隣の区画へ広がらないか、補充・保守を無理なく続けられるかを継続判断に使います。

好みの多数決だけで導入を続けず、支障があれば香り・範囲・時間を見直します。解消できない場合は、香りを加えない方法へ戻せるようにしておきましょう。

香りと別に、素材・照明・案内も整える

香りを新しくしても、受付方法が分からない、画面が読みにくい、荷物を置けないといった不便は解消しません。木工什器の手触りや木目、照明、待機席、案内画面は、それぞれの使い方から整えます。

木の仕上げ見本や画面の色と香りの候補を合わせるときも、液剤を木製天板へ直接置かず、受け皿や補充場所を確保します。機器を什器に収める場合は、交換・清掃の手が届くことや配線も確認してください。

受付の見え方は素材と光を合わせる受付づくり、機器の納まりは受付カウンターの機能と配置条件が参考になります。

関連資料と出典

情報確認日:2026年10月16日

木工什器と案内表示から、受付を相談する

mokuture+の木工什器とデジタルサイネージを、入口の動線、待機する場所、素材と照明の見え方に合わせて検討できます。既存の図面や受付で困っていることをお知らせください。

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