高さの異なる天板と、低い天板の下に開いた空間を設けた木製受付カウンターの架空イメージ
高さの異なる天板と、その下の空間を設けた什器のイメージ。実製品・設計図とは異なり、寸法は設置場所と利用者に合わせて確認してください。

受付端末や配線を後から足すと、木製カウンターの輪郭が小物やコードに隠れてしまいます。先に「来訪者がすること」と「機器を維持するために必要なこと」を決めると、天板の余白と使いやすさを一緒に検討できます。

天板の用途を、受付の動作から分ける

担当者を呼ぶだけの受付と、書類を書く受付では、必要な面の広さや高さが異なります。最初に、操作・記入・受け渡し・待機のどれをカウンターで行うかを書き出します。

用途と、什器に求める条件の整理例
行うこと確かめる条件
端末・内線を操作画面や番号表が見えるか。無理に腕を伸ばさず操作でき、端末を押しても台が動かないか。
書類を記入用紙と手を置く余白、筆記時の姿勢、荷物の置き場所。座って使う面も検討します。
入館証などを受け渡し来訪者と担当者の双方から手が届くか。書類・備品が機器の前をふさがないか。
受付後に待機カウンターの前に滞留せず、待機場所へ進めるか。表示を見る人と操作する人が重ならないか。

天板に置くものは、この動作に必要なものから選びます。パンフレットや清掃用品は用途別に収納を分け、案内を追加するときも端末や書く面を圧迫しない場所を決めておきましょう。受付方法の伝え方は案内表示の配置と文例で確認できます。

天板の高さだけで、使いやすさを決めない

天板の上にスタンドを載せると、その分だけ操作する画面は高くなります。立った姿勢だけで決めず、座った位置からも、画面の最も遠い操作部に手が届くか、照明が反射していないかを確かめます。操作が難しい場合に、人へ連絡できる方法も用意します。

高さと足元の空間を一組で考える

町田市の「福祉のまちづくり総合推進条例 整備基準等マニュアル」第4版の「24 カウンター」では、車椅子で利用する面について、机上面を約70cm、下部の空間を高さ約65cm・奥行き約45cmとする考え方を示しています。前面の回転空間は150cm角以上が示されています。

これは同市の整備資料の条件です。全国一律の設計値として扱わず、建物の用途・所在地の基準と利用者の条件を設計者へ確認してください。天板を低くしても、その下に収納や幕板があれば膝や足が入りません。厚み、支持材、足元と前面の余地を断面図で確認します。

一つの高さで全用途を兼ねるのが難しければ、立位で使う面と低い記入面を分ける案があります。低い面にも案内が届くこと、端末や荷物置きが接近を妨げないことまで確かめます。

配線孔は、機器とコネクターが決まってから

「タブレットを置く」だけでは、什器の製作条件はそろいません。ケースとスタンドを含む占有寸法、電源端子の向き、ケーブルを挿した状態の出幅を一緒に共有します。次の表を実機の型番と寸法で埋めると、後から穴を広げる手戻りを減らせます。

製作者・機器担当と共有する機器表の項目
確認対象記録して渡す内容
端末と固定具型番、ケース込みの幅・高さ・厚み、スタンドの設置面、向き・角度、固定方法。
ケーブルと穴電源・通信の本数、両端のコネクター寸法、挿した状態の出幅、通す順番、曲げ方の条件。
収納する機器電源アダプターなどの外形、必要な放熱空間、プラグを抜く方向、点検する側。
建物側の接続コンセント・LANの位置、必要数、床・壁から什器までの経路、工事と接続の担当。

配線孔はコードの太さだけで決めず、コネクターや保護部品が通るかを確認します。天板の端でコードを挟んだり、引き出しの動きと交差させたりしない経路にします。新設コンセントなどの工事は施設側と施工担当へ相談してください。

エレコムのスタンドTB-DSCHALSVの公式説明では、充電端子への接続、ケースの厚み、対応寸法に加え、対応サイズ内でもバランスによっては保持できない場合が示されています。「対応インチ数」だけで決めず、実際の端末・ケース・ケーブルを取り付けて確かめるための参考になります。業務用途での固定や耐久性は、選ぶ製品ごとに確認が必要です。

隠した配線に、後から手が届く構造にする

コードが見えなくても、故障時に天板を外さないと交換できない構造では保守が難しくなります。来訪者側のすっきりした面と、担当者側から点検できる開口を分けて考えます。

  • 放熱:機器の吸排気口をふさがず、使用する機器の設置説明書で必要な空間と環境を確認します。収納を密閉してよいとは限りません。
  • 交換:端末を取り外す方向、ケーブルを抜く手の位置、点検扉の開く範囲を図に入れます。鍵を使う場合は保管・点検担当も決めます。
  • 収納:備品を補充するときにプラグやコードへ触れないよう、収納区画と配線区画を分けます。将来の機器交換に使える余地も相談します。
  • 清掃:天板の穴や機器の隙間に液体が入らない手順を決め、木部の仕上げに合う用品を確認します。機器の清掃・電源操作は各説明書に従います。

木部の仕様は、見える木目に加え、手が触れる縁、配線孔の仕上げ、点検扉の納まりまで見本や図面で確認しましょう。材料構成と清掃の条件は木製受付什器の材料・手入れ・設計チェックで確認できます。

実寸の仮配置で、表と裏から確かめる

  1. 01

    使う機器と備品をそろえる

    端末、ケース、スタンド、接続するケーブル、記入用紙と荷物の代わりになるものを用意。未決定の機器は仮定として図面に残します。

  2. 02

    天板と近づく場所を再現する

    安定した仮台と床の目印などで、高さと占有範囲を試します。立位・座位で操作や記入を行い、足元と前面の空間も確認します。

  3. 03

    照明・配線・点検を試す

    予定位置で画面の反射を確認。端末を外す、コネクターを抜く、扉を開ける動作が可能か、保守担当と一緒に確かめます。

  4. 04

    確定条件を図面へ戻す

    位置、高さ、穴、点検側、放熱空間と未確認項目を記録。外観図だけでなく断面・配線経路を共有してから、製作条件を固めます。

検討時は、機器の電源を扱う担当と、木工・内装の担当が同じ図面を見られるようにします。画面の機能と素材の美しさを、日々使える納まりへ結び付けるための確認です。

使う機器と動作から、木製受付の納まりを考える

mokuture+では、木工什器とデジタルサイネージを組み合わせた入口づくりをご相談いただけます。設置場所の写真、予定する機器、受付で行う動作を共有いただき、木の表情と日々の使いやすさを踏まえた構成を検討します。

受付什器と画面の配置を相談する